大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)413号 判決

O弁護人の控訴趣意第一点中原判示第一、第二の金員手交は公職選挙法にいわゆる供与でなく交付であるとの主張について。

(イ) 原判決の事実説示によれば、原判示第一、第二の本件金員はいずれも投票取纏めの選挙運動資金として手交したというのであり、原判決挙示の証拠によるも右金員中には被手交者に対する報酬等を包含しない選挙運動者に渡すべき買収運動資金として手交したものであることが明かであるから、原判決は公職選挙法第二百二十一条第一項第五号の交付の事実を認定したものというべきである。尤も、原判決は各金員を「供与し」と結んでいるけれども、右は原判決の法律の適用と相まつて原審の法律的見解を表明したに過ぎないものと解するを相当とする。されば、右事実に対し同法条同項第一号を適用処断した原判決は法律の適用を誤つた違法をおかしたものである。しかし、いずれもその処罰は同一のものとなるのであるから、右の誤は判決に影響を及ぼすことが明かなものといえず、未だ以て原判決破棄の理由となすに足りない。

同第一点中法定選挙費用を控除すべしとの主張について。

(ロ) 所論は、要するに、原判示第一、第二の古宮に対し手交した金員合計金二百四十万円中には古宮が法定選挙費用として支出した金三十七万円が包含されているのであるから、これを控除した金額を認定すべきものであるというのであるが、所論のように法定選挙費用をも包含していたとしても、原判決挙示の証拠によれば、投票買収資金と法定選拳費用を一括し、そのいずれの部分が買収資金で、いずれの部分が費用であるかの区別ができない関係において手交したものであることが明かであるから、その金員全額につき不法性を帯びるものと解すべきである。さればその全額につき犯罪の成立を是認した原判決は正当である。論旨は理由がない。

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